Life&HomeSolusionは皆様の住宅購入のアドバイザーです。新しいカテゴリー『住宅購入アドバイス』では文字通り、
住宅購入において、陥りやすい注意点についてアドバイスいたします。
第一回は住宅選びについてです。
マイホーム購入を思い立つと、希望条件や予算を整理して考えることもせずに
いきなりモデルルームや住宅展示場に行く方が多いようです。
そして希望条件を尋ねられると、ほとんどの方は口を揃えてこう言います。
「広くて、南向きで、日当たりがよくて、駅から近くて、環境がよい・・・」
価値観が多様化したというのに、住宅に対する希望条件はなぜこうも皆似かよっているのでしょう。
でも誰もが望む条件だからこそ、それらの条件の代償は果てしなく高い価格となります。
そんな希望通りの物件の購入には予算がいくらあっても足りません。
例えば広さの問題。
子供が増えても、物が増えても住めるように、できたら夫婦それぞれに書斎もほしいし、
趣味を楽しめる部屋も、そして田舎の両親が遊びに来た時の客間もほしい・・・
でもそれを満たしていたら最低でも100㎡はほしいところです。
最近は首都圏で100㎡を超えるマンションが増えてきておりますが、
まだまだ選択肢は多くなく、また価格も高くなります。
子供が2人生まれてもいいようになんて新婚のご夫婦がよく言います。
そんな不確定なことのために使わないかもしれない部屋のためにローンを支払うのですか?
物が増えてもいいように・・・物置のためにプラス500万円ですか?
いやいや今でも物が多くて収納が多くないと・・・それは本当に必要な物なのですか?
書斎や趣味の部屋・・・独立した部屋でなくてはなりませんか?
客間として・・・いったい年に何回ある話でしょう?
10年前の自分を思い出してください。今の自分の状況を予想できていたでしょうか?
不確実な未来のことをあれこれ考えて、その全てに対応できるような物件を探すのではなく、
今買おうとしているマンションは、今のあなたを満足させられたらそれでいいのではないでしょうか?
もし家族が増えて本当に手狭になったらそのときは買い替えればいいのです。
世の中に売れない物件はありません。要は価格の問題です。
将来自宅を売却する際、なるべく残債を少なくするよう無理のない予算で住宅を購入すれば、
そして最低限の流通性を確保した物件を選べば心配はありません。
上を見たらキリがない。
今の自分たちが満足できる、「身の丈にあった住宅選び」をお勧めします。
春分が過ぎ、桜も咲いて日に日に暖かくなってきました。
時々逆戻りの天気もありますし、まだ杉花粉のみならずヒノキの花粉までもが飛んでいるのですが、
これからどんどん陽がのびて、気持ちのよい季節になっていきます。楽しみです。
住宅選びでよく出てくるキーワードに“日当たり”があります。
そして誰もが日当たりの良い物件を求めます。
しかしこれが結構“くせもの”で、特に実物を見ないで契約をしなくてはならない新築マンションでは
慎重に検討しなくてはならない最重要項目です。
まず、一言で“日当たりが良い”といっても人によってイメージが若干異なります。
「バルコニーで洗濯物や布団を干し、直射日光を当てたい!」
「いやいやそれだけでなくリビングにも日光が差し込むような物件でないと・・・」
「昼間は電気をつけなくてもよいくらいの明るさがあれば充分。」
「真っ暗でなければいいのだけど・・・」
「とにかく一日中日が当たる物件でなければ問題外!」などなど・・・
“日当たりが良い”物件の詳しいイメージを語ってもらうと意外にも様々な答えが返ってきます。
そしてこれらの回答例ではそれぞれ選ぶ住戸が異なる可能性が高いのです。
一概に“南向き”で、
バルコニー前に高い建物等日光を遮るものがない物件なら何でもよいというわけではないのです。

上の写真を見てください。向かって左側の建物は南向きで“順梁工法”、
右側の建物は西向きで“逆梁工法”となっています。
2月下旬のお昼過ぎですので、どちらの建物も外壁には日が当たっています。
しかし、右側の建物はバルコニーの奥は暗く、写真ではかなり黒く写っています。
“逆梁工法”ではバルコニーの外側に建物の柱と梁があるため、それが日光を遮っています。
また、“順梁”でもそうなのですが、上階のバルコニーが“ひさし(庇)”となって、影を作っています。
つまりバルコニーの奥行が長いということはそれだけ影を大きくするということになります。
ところが売る側からすると、ハイサッシが採用できる“逆梁”や奥行の深いバルコニーは
大きなセールスポイントとなります。
「ハイサッシにより室内は明るく、また広いバルコニーは利用価値が高まる」と言って勧めるわけです。
もちろん、これは全くの偽りではないため、否定はできません。
しかし、自分が求める“日当たり”の度合いを考えた時に、
その物件が本当にそのニーズを満たしてくれるのか、慎重に検討しなくてはならないのです。
実際、最近の物件はバルコニーの奥行がどんどん長くなる傾向にあり、4mもある物件もあることから
今後新築マンションの南向きで、住戸の内部まで日光の入る物件は難しいかもしれません。
また思っているより日当たりや明るさは期待できないと思って購入した方がよいかもしれません。
これを見極めるには、やはり複数の完成物件を見ることです。
内覧できればベストですが、内覧しなければ全くわからないというわけではありませんので、
外からでもいろいろ見てみるとよいでしょう。
何時にどこにどれだけ日が当たっているか、バルコニーや柱の影の影響は?
そして何といっても確認した時期がどのタイミングかが重要です。
太陽の位置が最も高い“夏至”なのか、最も低い“冬至”なのか、はたまた“春秋分”なのか?
そして南向きなのか、西向きなのか、東向きなのか?
次回はこの点についての検討方法をご紹介します。
前回、日当たりに影響を及ぼすバルコニーの奥行について書きました。
そしてさらに今回は、日当たりは時期によって、また時間帯によって異なるため、
確認する際の注意点について書きたいと思います。
冬至の太陽は低く、また東向きは午前中、西向きは午後に日当たりがあることは周知の事実ですが、
いつも冬至の日当たりを確認できるわけではなく、
また日の出から日没までずっと見続けることも困難です。
そのため、物件の日当たりを確認する前に、
まず自分たちが日当たりに何を期待するのか、そしていつそれが必要なのかを考えてみることです。
日光が差し込む部屋で起床したいのなら朝に、
午前中のうちに洗濯をし、洗濯物に日光をあてたいと考えるなら午前中に、
子供が学校から帰って来てリビングで遊ぶ時間が明るく、と考えるなら午後に日当たりが必要です。
よって、その必要な時間帯に確認に行くとよいでしょう。
そして冬至、春秋分、夏至の建物の影のできかたを大体把握しておくとよいでしょう。
隣接地の建物の影のできかたに関して、建築基準上の「日影規制」があります。
これについての説明資料として、
新築マンションのモデルルームには「日影図」や「逆日影図」が用意されている場合が多いのですが、
資料の有無に関わらず、必ず営業担当者に説明を求めましょう。
そして、検討する住戸の東南、南、南西にある建物の高さとその影について、
自分でも現地に出向き、確認してみましょう。
仮に午前8時から午後4時までの間に4時間以上の日照を確保するためには、
夏至には対象物件の南に建っている建物の高さの約6割の距離があればいいのですが、
春秋分には約1倍、冬至には約2倍の距離が必要になります。
一戸建ての高さが概ね7m、3階建てのマンションが概ね10mとすると、
冬至の日照を4時間以上確保するとなると、南の一戸建てとは約14m、
南の3階建てのマンションとは約20m離れていればよいということになります。
なお、建築基準法ではもっと細かい規制内容となっているので、
以上のことはあくまでもだいたいの目安として考えてください。
ただし、前回も書きましたが、ひさしが深いと住戸内まで日光は差し込みません。
しかし、直射日光が差し込まなくても、また北向きの窓であっても、窓先に建物などがなければ
窓際では充分読書ができる程度の明るさが確保できます。
日当たりの良い物件を希望するなら、まず自分が「日当たり」に何を求めるのかを具体化し、
内から外から、時期や時間帯も考慮し、できる限りいろいろな物件を見てみることをおすすめします。
共有名義にするか、単独名義にするか、また持分はどうするか、
物件の売買契約の際に営業担当者に尋ねられ、困ったり迷ったりする方が多いようです。
確かに名義や持分をどうするかは買手が任意で決めることです。
しかし名義や持分は、
基本的に『物件の購入価額(借入分を含む)と諸費用を誰がどのくらい出資したか』で決めることです。
よって、頭金等の一部を出資した人がいるのに単独名義としたり、
逆にまったく出資していない人と共有名義にすると、それは贈与税の対象となります。
またローンについてはその名義人の持分となります。
収入合算の場合は、合算者が「連帯債務者」の場合には、
一般的には収入(年収)の比率で持分を持つことが必要となりますし、
「連帯保証人」の場合は債務者ではありませんので、ローンの持分を持つと贈与税の対象となります。
さらに親からの贈与の場合は、贈与を受けた子供の出資額となります。
またもし親が子供の住宅取得に対し、金銭をあげるわけでも、貸すわけでもなく援助すれば、
それは親の出資分として共有名義にすればよいということです。
以上のことから本来共有名義についてはメリットもデメリットもないということです。
しかし敢えて述べるなら、まず共有名義にした場合、
「居住用財産の譲渡の特別控除(3,000万円の特別控除)」が
共有者それぞれで適用となることがメリットの一つとしてあげられます。
つまり自己の居住用の住宅である不動産を売却し、譲渡益が出た場合、
単独名義ならその利益の3,000万円までが控除される(税金がかからない)のに対し、
仮に夫婦の共有名義になっていれば、夫婦双方にとって居住用の財産となるため、
6,000万円まで控除されるということです。
ただしここ20年あまり、買った値段よりも売ったときの値段が低くなるケースが多く、
また、仮に譲渡益が出たとしても3,000万円を超えることは極めて稀なので、
このメリットは、現状あまり実用的ではないようです。
さらに、物件を増改築及び売却する時には共有者全員の同意が、
物件を賃貸する場合には持分の過半数の同意がないとできません。
よって例えばある夫婦が住宅を購入した場合、将来夫婦の仲が悪くなった時に、
名義人によって勝手にその住宅を売ったり貸したり出来ないようにするためには、
共有にしておいた方がよいということですが、これはメリットでしょうか、デメリットでしょうか?
つまり共有者同士の関係と立場によってはメリットにもデメリットにもなるのではないでしょうか。
以上のようにメリットがあるから「共有」する、
逆にデメリットがあるから「共有」にしないというような問題ではありません。
購入に際し、もし購入資金の一部でも出資をしたのであれば、その分の持分を持つ、これが基本です。
住宅購入を検討される方の相談にのっていて、
最近特に気になるのは、不動産会社が売買契約をとてもあせっていることです。
何はなくともとりあえず契約書に判を押させようと、あの手この手であおっているようなのです。
買主にとって、売買契約は重要な立場の転機となります。
契約後、買主は「売買代金を支払う」という債務を負うことになり、
共に債権・債務を持つ売主と買主は同等の立場になるのですが、
新築分譲マンションを購入する場合、不動産業者である売主とは情報量で大きな格差があります。
そのため契約前まではうるさいぐらいお客様扱いしていた不動産業者が、
契約した途端強気になり、自分たちの情報量を武器にイニシアチブを取る、ということもあるのです。
つまり「契約してしまえばこっちのもの」というわけです。
また買主にとって誠実な売買契約までのスケジュールとは、充分な検討の時間を与え、
申込の意志表示があった時点で、住宅ローンの利用がある場合には事前審査を行い、
同時に重要事項説明、そして契約前に事前審査の結果を得て、
また重要事項説明書をきちんと理解し、
契約の意志を固める猶予をもって売買契約に至る、というものではないかと思います。
ところが最近はそのような流れになっていない場合が増えているようです。
特にひどいと感じるのは、事前に重要事項説明書等の書類も渡さずに
重要事項説明と同時に売買契約、その後事前審査を行い、融資承認が得られない場合には、
買主が望まない融資までをも強要したり、追加の自己資金の調達を迫るなどして
なかなか契約解除に応じないというものです。
一般の方にとって重要事項説明書は、一見してすぐに理解できるものではありません。
事前に書類を受取り、熟読し、契約日より前の別の日に説明を受けて、
不明な点を全て解明するべきだと思います。
さらに住宅ローンを利用して購入する場合、
どの金融機関でどのような条件のローンを利用するのかは買主が決めることです。
フラット35や財形住宅融資については事前審査がありませんが、その場合にも提携ローン等で、
必ず事前審査を行い、融資が受けられることを確認してから売買契約を行いましょう。
仮に売買契約後に事前審査を行い、希望している融資が受けられない場合、
通常提携ローン等の融資については『融資利用の特約(ローン特約)』が適用となり、
契約は解除することが可能で、その際申込金や手付金は全額戻ってきます。
くれぐれも条件の悪い住宅ローンを組まされたり、
無理やり予定外の資金計画を受け入れたりしないように毅然と対応すべきです。
もちろん、事前に契約書でローン特約の有無や、その対象となる融資の確認も行いましょう。
昨年から不動産業界には“不況”の風が吹いています。
多くの在庫を抱え、そのためか営業担当者のかなり強引な契約行為が増えているようです。
そんな今こそ、特に契約を急がせる不動産業者には毅然と立ち向かいましょう!
そのうえでどうしても問題があればご相談ください。
前回「不動産業者には毅然と立ち向かおう!」というタイトルでこのブログを書きましたが、
実は少々誤解を与えてしまうのではないかと危惧しております。
真意は「不動産業者のペースに巻き込まれずに、
疑問に思ったことや心配なことは納得いくまで説明してもらいましょう!」ということであり、
決して「不動産業者を敵対視し、疑ってかかれ!」と訴えたいわけではありません。
そして不動産業者と購入検討者との間には簡単には埋められない “情報格差”があります。
これだけはきちんと認識し、上手に不動産業者との格差を埋めることを考える必要があると思うのです。
ではこの“情報格差”を具体例で説明します。
よく相談される事例としては、「融資利用の特約(ローン特約)」と「手付解約」が挙げられます。
まず「融資利用の特約」は全ての住宅ローンが対象になっているわけではありません。
対象となる融資は契約書に明記されています。
そして仮にこの特約の対象となっているローンの本審査で融資承認が得られなかった場合、
即座に売買契約が解除となるわけではなく、
買主は他のローンの検討や自己資金の増額など、資金調達の方法を探ることができます。
そのうえでどうしても購入が不可能となった場合には、“契約の解除が出来る”というわけです。
ここで特に重要なのは、売買契約をする前に必ずローン特約の対象となっている融資の事前審査を
受けておくということです。事前審査で承認されれば、原則本審査でも承認が得られるはずです。
この特約の意味と事前審査の重要性を正確に理解しておかないと、
売買契約後の切羽詰った状況の中で、
不動産業者によって無理やり不本意なローンを組まされるということになりかねません。
また、「手付解約」については、通常新築マンションの場合、「相手方が履行に着手するまでは、
買主は手付金を放棄することによって契約を解除できる」と契約書に記載されています。
つまり手付金を放棄すればいつまでも契約を解除できるわけではありません。
あくまでも「相手方が履行に着手するまでは」という期限付きということです。
そしてこの「履行の着手」とは具体的にいつなのか、重要事項説明時にきちんと確認しましょう。
一方、中古マンションの場合には、契約書に「手付解約」できる期日が明記されています。
いずれにしても「手付解約」は、期限内なら売主、買主共に正当に認められている権利ですから
「言い出しにくい」とか「理由はどうすれば?」と悩む必要は無いということです。
さらに新築マンションを「手付解約」する場合、
「セレクトプラン」や「オプション」の原状回復費用が問題になる場合があります。
これらの扱いについても事前に確認しておかないと、法外な費用負担をちらつかせて
契約の解除をさせないよう圧力をかけてくるような営業担当者に屈してしまうことになりかねません。
なお通常、「セレクトプラン」や「カラーセレクト」等の売主が提案する無償のプランについては
原状回復費はかかりません。
また「有償オプション」については、よほど完成間近でもない限り、
原状回復費がオプションに係る費用の何倍にもなるということはほとんどありませんので、
多額の金額が要求されたら、きちんとその根拠について説明を求めるべきでしょう。
以上のように、つい理解した気になってしまう契約条件や重要事項は、
実はあいまいでわかりにくい内容となっている場合が多いのが不動産売買契約です。
よってこの “情報格差”を認識し、説明を求める時には、相手も人間ですのであまり攻撃的にならず、
「わからないので教えて欲しい」と誠実にお願いするよう心がけましょう。
不動産業者に「納得して買ってもらいたい」と思わせるような買主になる努力も必要だと思います。
今年の春の商戦を終えた頃より、
専門家のみならず誰の目にも“不動産不況”がはっきりと確認できるようになりました。
度重なる建築関連の“偽装”や、中小企業ながら比較的知名度あるデベロッパーの経営破綻も続き、
業界は顧客の信用を急速に失いつつあります。
しかし、住宅に対する需要は底堅く、
よい物件をよい条件で購入できるなら検討したいと思っている人はむしろ増えていて、
にもかかわらず、今の状況下でどう判断し、どう選べばいいのか手がかりがなく、
結果、購入を見合わせたり、先送りしたりという状態になっているようです。
それでもできれば今購入したいという方が相談に来て、その手がかりを尋ねます。
そして私の答えは、月並みですが、“寄らば大樹の陰”、
つまり大手不動産会社の物件が安心、というものです。
現在のような状況下で価値ある物件を供給できるのは、
“財務力”と“商品企画力”、そして“営業力”ではないかと思うのですが、
それが揃っているのは大手不動産会社に多いのです。
しかしそれだけではあまりにも単純な見解です。
大手不動産会社の開発する物件の中にも大手なりの“しがらみ”があり、
ニーズが見込めなくても開発せざるを得ない物件や、予測に反して売れ残ってしまう物件もあります。
それを見極め、つまらない物件をつかまされないための手がかり、その答えは“現場”にあります。
能力の差こそあれ、モデルルームにいる営業担当者は全て“プロ”です。
経験が少なくても、毎日さまざまなお客様と接し、毎日物件のことを考えていたら
その物件が本当に価値あるものなのか、購入した人を幸せにできる物件なのか
必ずや心の中で気付いているはずです。
そしてそれはどんなに隠そうとしても表面に出てきます。
私もマンションの販売をしていた頃、「これはいける!」という雰囲気に溢れた物件と
「キツイなー」という雰囲気に沈む物件の、大きな違いにしばしば驚くことがありました。
モデルルームの造りから受付の女性の顔つき、スタッフの歩き方も違ってきます。
オリンピックを見ていると、特にチームプレーの競技において、
選手の動きがかみ合っていなかったり、なんだかまとまりを感じない、という光景に出くわしますが、
まさにそんな感じなのです。
それはその競技について詳しくなくても選手の動きの違いに気付くのと同様、
不動産に詳しくなくとも、また営業経験がなくても充分気付くことができます。
よって、モデルルームに行ったら、入口から5感を働かせて、内部の雰囲気を探りましょう。
やる気のなさや逆に殺気を少しでも感じたら要注意です。
さらに営業担当者がこちらの希望や予算も聞かずに一方的に購入を勧めてきたら、危険です、
即退避しましょう。
最近、立て続けに新婚夫婦からマンション購入の相談を承りました。
もちろん、開業以来ずっとコンスタントに新婚夫婦からの相談依頼がありますが、
いかに結婚を機にマイホーム購入も、というニーズが多いかがわかります。
しかし基本的に新婚夫婦の方には住宅購入をお勧めしておりません。
なぜなら家計の把握ができていないうえ、
共稼ぎの継続や、子どもの予定など、将来設計に不確定要素が多いからです。
特に夫婦双方が、あるいは夫婦のどちらか一方が、
結婚前に親元に住んでいたような場合は要注意です。
住宅費としてどのくらいの費用負担が可能なのか、月々の生活費はいくらかかるのか、といった
予算決定の基礎となる部分の認識に欠け、
さらに住宅にどのような条件を求めるのか、またライフスタイルや価値観、将来の夢や目標など
まったくイメージできないような場合が多いからです。
このような夫婦については、
まずは賃貸物件でしばらく二人の生活や家計を見つめる機会が必要なのではないかと思います。
もちろん、上記のような問題がある程度解決できるなら、充分検討可能です。
ご夫婦それぞれが独身時から定期的に貯蓄し、かつ1人暮らしをするなど家計を把握しているなら
リスクは少ないでしょう。
では新婚夫婦は今後どんな点に考慮してマイホーム購入計画を立てるべきでしょう?
まず、家計簿をつけること、そしてそれを最低1年続け、1年を通じての家計の把握が重要です。
それから住宅に対して興味と関心を持つこと。
首都圏でマイホームを購入するには、希望条件に優先順位をつけ、妥協点をみつけておかないと
予算はいくら合っても足りません。
求めるものが広さなのか、日当たりなのか、住環境なのか、駅からの距離なのか・・・など
日々の生活の中で常に考える癖をつけておくとよいでしょう。
そして世の中の情報にあまり左右されないことも必要です。
特に現在のように金利水準も低く、優遇税制もあり、また新築マンションの価格が低迷している時など
とかく「今が買い時」などという言葉が飛び交います。
また、家計を把握していない新婚夫婦は、ある意味販売する側からすると最もおいしいお客様です。
年齢が若く、新婚当初は共稼ぎであることが多いため、住宅ローンが組みやすく、
見た目の返済額は低く抑えられるからです。
しかも新しい生活を始めるにあたって最新設備の整った新築マンションは、
必要以上に夢を与えてしまいます。
こうしたことに惑わされ、貯金もないのに衝動買いしてしまうことのないように、くれぐれも注意し、
淡々と購入計画を遂行することが大切です。
長い人生、想定外のことも多く、将来は不確定です。
チャンスは何度も訪れるはずですので、「今しかない」などとあせらず、
慎重な購入計画をおすすめします。
不動産不況が深刻化している今、
「今は買いどきなんでしょうか?」と聞かれることが多くなりました。
購入動機があって、希望条件を整理し、
予算が決まれば次は購入時期の検討をすることになりますが、
ライフイベントで考えるなら、一般的に家族が増えたりお子さんが進学したり、
また社宅を出なくてはならない等が購入の好機とされます。
しかし、それ以外にも金利動向やマンション市況、経済状況など
他にも購入時期を見極める要素があります。
それらを検討したうえで、なぜ「今」なのかに結論を出す必要があります。
私は個人的に、今は買いどきであると思っています。
というか、本当の買い時は既に過ぎているのですが、
それでもまだ、数年のうちに住宅を購入しないといけない動機のある人は、
なるべく早く購入したほうがよいと思います。
理由は以下の5つです。
1.現物が確認できる「完成済み物件」が大量にあること。
2.低金利であること。
3.優遇税制の延長が見込まれること。
一番大きいのは住宅ローン減税が平成25年入居分まで延長されるであろうこと。
4.消費税の増税が検討されていること。
5.割安に買える可能性が増えていること。
地価が下落している地点も多くあり、また在庫についてはかなりの値引きが進行している。
住宅の購入は金額も高く、それゆえ失敗しても容易に買い替えができません。
しかも金額が大きすぎてその重みがわかりにくく、
数百万円の違いが家計にどのような影響を及ぼすかイメージしにくいものです。
ですから購入価額の2割程度の頭金と諸費用、
さらに予備資金も含めた充分な預貯金を用意しなければ購入すべきではないと考えます。
しかし、今はその自己資金が足りていなくても、
貯金が貯まるのを待つより購入したほうがメリットが大きい場合もあります。
もちろん無理はいけませんが、がんばって返済できる計画が立てられるのであれば、
早めに購入すべき時期ではないかと思います。
金利が低く、価格も低く、さらに税制の優遇が受けられる機会はそう長くは続きません。
このチャンスをうまく利用して幸せな住宅購入するためにも、
購入する理由と、がんばれる範囲がどこまでか、しっかりと見極める必要があります。
それに加えて現在、重要なのは「物件の見極め」です。
完成済み物件を中心にかなりの値引きをしている物件が多くなっていますが、
それは「残るべくして残った劣悪物件」の場合が少なくありません。
その簡単な見極め方は次回ご説明いたします。
あけましておめでとうございます。
独立してから3回目のお正月を迎えました。今年もより一層飛躍したいと思います。
本年もよろしくお願い申しあげます。
さて昨年末、私は“今は買い時”であると述べました。
そして同時に“物件の見極めが必要である”とも述べました。
今回は、ちまたに溢れる値引き物件について、どのように物件を見極めて購入すればよいか、
つまり“単に残るべくして売れ残っている劣悪物件”をどうしたらつかまされないか、
さらに端的に述べると、“いくら安くても買ってはいけない物件”について
その簡単な見極め方法についていくつか述べようと思います。
以下の3つが簡単に見極められる、西澤が考える「買ってはいけない物件」です。
1.平均面積よりかなり小さい住戸
2LDKで60㎡未満、3LDKで70㎡未満、4LDKなら90㎡未満の物件
→ここ1~2年の不動産価格上昇に伴い、価格を据え置き、その分面積を小さくしている間取りは
マーケティングからはずれた広さです。つまり将来の流通性に影響を及ぼす可能性が大です。
2.住宅性能評価書を取得していない物件や「フラット35」が利用できない物件
→「フラット35」を利用するためにはその物件が「適合証明書」を取得していることが要件の一つです。
この条件に合わない物件が即「良くない物件」というわけではありませんが、いずれも購入検討者に
建物の構造や性能について客観的指標を与えるものですので、売主の誠意として、
今のような時代にはこうした見えにくい部分についての情報開示の姿勢を提示していただきたいと
思うわけです。
3.建物竣工時に総戸数の半数以上が、
もしくは入居開始から1年経過後も総戸数の1割を越える住戸が未契約の物件。
→これはあくまでも目安ですが、結局のところこの目安を超えて売れ残っている物件は、
はっきり言って明らかな“不人気物件”です。
いくら不動産不況とはいえ、新規の販売時にこれだけ低迷した販売状況ですと、
将来の流通性や資産価値に多大な影響を及ぼす可能性が高いと言えます。
ちなみに何戸売れているかは、販売担当者の言う数字を鵜呑みにしてはいけません。
必ず現地を確認しましょう。
バルコニーを見て、エアコンのスリーブが外壁に出ていない住戸や
物干し金物に物干し竿がない住戸は入居者がついていない可能性が高いです。
こうした住戸を数え、実際の入居率を割り出しましょう。
これに加え、値引き額が当初の価格から坪単価で40万円以上に達したら要注意です。
これは例えば75㎡前後の3LDKなら約900万円程度の値引に相当します。
買手にとってはこれだけの値引きはかなりの魅力になりますが、
集合住宅であるマンションにおいて、これだけの価格差は、
入居者層の違いによる価値観や経済観念の違いなどの各種弊害を導く可能性があります。
特に建物の修繕や建替えの検討にあたっては、この弊害が顕在化することでしょう。
そのため、購入価額に大きな差が生まれるような販売状況の物件は購入すべきではないでしょう。
以上、私の考える判断基準です。
ただ、「買ってはいけない物件」の基準には、さまざまな価値観や意見が存在することでしょう。
ご意見やご質問のある方は、ぜひ個別にお問い合わせ下さい。お待ちしております。
前々回、マンション市況や金利状況などから、今は買いどきであると述べました。
また、それ以前には「新婚家庭の住宅購入は勧めない」とも述べました。
では、ライフプラン上、どのタイミングが最も住宅購入に適しているのか、
今回はそれについて私の考えを述べたいと思います。
結論から先に述べますと、それはズバリ「第一子の小学校入学直前」です。
また、子どもの予定のない夫婦については「結婚の2年後くらい」だと思います。
そしていずれの場合でも500万円以上の自己資金が用意できていることが前提です。
その理由は以下のとおりです。
まず子どもがいる場合について。
1.子どもが転校する必要が無くなる。
2.第一子が6歳になる頃には、多くの場合子どもの数のめどがたっている。
3.産休、育休などを取得し仕事を続ける場合、既に復職の可否がはっきりしている。
4.子どもを含めた家計が把握できている。
5.子どもの進路についてある程度予定が見えてくる。
次に子どもの予定がない場合について。
1.2年生活すれば夫婦のお金の使い方や住宅についての価値観が互いに把握できる。
2.奥様の働き方についてめどがたつ。
いずれも住宅購入に際して、
将来の家計の推移をある程度見据えて、予算やローンを決める必要があることを意味しています。
子どもが何人、どのタイミングで生まれ、男女の別や健康状態などが不確定では予定がたちません。
また、共稼ぎするかしないかも重要な要素ですが、その可否は、子どもが生まれ、
復職までこぎつけないことには判断がつきませんし、
子どもがいないのであれば、結婚後、数年生活してみなければ、
奥様の働き方の判断はできないと思います。
かといってあまり先延ばしすると住宅ローンの借入年数が短くなり、借入額に影響を及ぼします。
最後に500万円以上の自己資金が必要な理由について。
1.購入に際し、一般的に150万円前後の諸費用が必要。
2.大手不動産会社を中心に、最低でも物件価格の5%~10%の手付金を支払う必要がある。
諸費用ローンや100%ローン(物件価格の全額を借入するローン)を
利用することが可能ではありますが、購入者にとっては入居した瞬間から家計が債務超過となり、
リスクが大きいため、私はまったくおすすめしません。
しかし家計は100家庭あれば100通りですので、
このタイミングが全ての家庭にとってベストとは限らないことも事実です。
また、私のところに相談にこられる方も、またかつてマンションの販売をしていた時も、
私がベストと考えるタイミングで購入を検討している人は、実はあまりいらっしゃいませんでした。
ですからこの仮説が正しいのか、なかなか検証できずにいます。
でもあえてこの仮説を述べる意味は、
住宅購入時に将来の子どもの教育方針や奥様の働き方などをよく考え、
予測を立て、計画的に購入してもらいたい、という願いです。
もし考え方の糸口がつかめない方や、よくわからない方がいらっしゃいましたら、
ぜひ相談にお越しください。
ここ最近、住宅購入のタイミングや買い時について、
そしてどんな物件に注意するかについて述べてきましたが、
今回はちょっと理屈を離れて、非常に感覚的なことについても書いてみようと思います。
実は最近、私はとあるマンション建設予定地が気になって仕方がありません。
まだ建築が始まったばかりで、住宅情報誌やネットにも一切情報が出ておりませんが、
建築看板には、事業主としてある大手不動産会社の名前がありますので、
おそらく分譲マンションが建設されるのではないかとワクワクしております。
その予定地は始発電車のある駅を南にもつ駅前立地で、近くには大規模商業施設もあり、
通勤にも生活にもとても便利です。
そのうち詳細がはっきりし、納得のいくものでしたらこのブログでご紹介したいと思うのですが、
私としたことがその土地だけを見て、配棟計画も間取りもわからないのに、
ここに建つであろうマンションが欲しくてたまらなくなってしまいました。
我が家は持ち家ですし、買い替え予定はまったくありませんが、
私はこの物件を手に入れたくて仕方がありません。
そのため、普段はあまりにリターンの見込みが少ないため
手を出すことの無かった宝くじすら購入してしまったほどです。
案の定、はずれて1割しかバックがありませんでしたが。
これまで物件の選び方やら見極め方など、理屈を並べてきましたが、
これほどまでに気に入ってしまう不動産に出会うと、
不動産との出会いは人との出会いと一緒で一期一会、
理屈を超えた、ある部分フィーリングなのだな~と改めて感じました。
確かに不動産は人間と同じで二つと同じものはありませんし、100点満点の物件はありません。
よって、“いいな!”と感じられる物件に出会い、
そこに住まう自分をイメージした時に嬉しくなるような経験が出来るのは貴重なことです。
冷静になってメリット、デメリットを整理し、自分の希望条件に照らし合わせてみることも大切ですが、
最初はもっと感覚的に惚れ込める物件を探してみるとよいのではないでしょうか?
ちなみに私は独立開業する際、事務所となる物件を数々見て回りましたが、
現在のオフィスである御茶ノ水の物件に出会った時、非常に大きな衝撃を感じました。
一目で惚れ込んでしまい、この物件を借りることを申込んだ日は帰りの電車の中で終始ニヤニヤし、
夜は一睡もできないほど興奮しました。
今でもこのオフィスを維持するためなら多少の困難は乗り切れると思っています。
みなさんもぜひこのような物件との運命的な出会いをしていただきたいと思います。
そうすれば仕事や日々の生活に張り合いが生まれ、人生が豊かになると思います。
また、多少の予算オーバーや困難も乗り切れるかもしれません。
FPらしからぬ見解ですが、住宅選びの醍醐味はやはりここにあると思う今日この頃です。
先日、日本綜合地所が会社更生手続き開始を申請、受理されました。
またしても不動産会社が“倒産”したわけです。
昨年から続く不動産業界の相次ぐ“倒産”は、
そのわずか半年から1年前までは業績が好調であったにも関わらず、
突然かつ急激に業績が悪化し、あっという間につぶれてしまうという衝撃的な事態となっています。
よって、相談に来られた方から、自分の購入したマンションの売主は大丈夫かとよく聞かれますが、
こうした状況下ゆえに非常に難しい判断です。
ここまで不動産市況が低迷してしまうと、どこの会社も少なからずリスクがあるからです。
ただ、日本綜合地所については、数ヶ月前に新入社員の内定取消を行なっておりましたので、
兆候はあったわけです。しかしそれでも実際に“倒産”してしまうと、やはり衝撃を感じざるを得ません。
さて、では購入した物件の売主が“倒産”するとどうなってしまうのでしょうか?
それは“倒産”の状況と、タイミングによります。
まず、一口に“倒産”といっても、その手続きにはさまざまな方法があります。
大きく分けると2通り。ひとつは「会社更生法」や「民事再生法」の適用を受けるなど、
事業の再建を目指す場合と、もうひとつは「破産」や「清算」、「廃業」など事業を存続せず、
会社が消滅する場合とに分けられます。
前者の場合、基本的に会社は存続しますので、建物が完成しているか、
もしくは完成を目指すことになれば、“倒産”前と同様の対応となり、
物件は引き渡される可能性が高いといえます。
一方、後者の場合には、会社は消滅しますので、場合によっては建築工事が中止となったり、
完成済み物件についてもアフターサービスや瑕疵担保責任の追及先を失うことになります。
またタイミングによって状況を分けることになるポイントは、建物が完成しているか否か、
そして完成を目指すか否かです。
建物完成前なら、手付金を放棄して売買契約を解除することもできますし
(場合によっては違約金を求められる場合もありますが)、
また、もし建設が中止されたなら売買契約を解除したり、手付金等の保全措置により、
手付金は戻ってくる可能性が高いです。
よって、引渡し後に売主が破産や廃業などにより消滅してしまうという最悪の事態に備え、
「瑕疵担保責任の履行に関する措置」を講じている(保険加入や保証金の供託など)物件を選ぶか、
今年の10月以降に引き渡される新築物件は、この措置が義務付けられるため、
そうした物件を選ぶとひとまず安心です。
また、建物完成前に売主が破綻し、手付金が戻ってこない事態に備え、
手付金等の保全措置を受けておくことも重要です。
建物竣工前に契約を締結する場合は、売買代金の5%を超える額、建物竣工後は10%を超える額、
もしくはいずれも1,000万円を超える額を手付金として支払う場合に手付金は保証されます。
特に契約から引渡しまで半年以上の長期間を有するような場合には、
仮に売主から「手付金は5%以下でよい」と言われたとしても5%超支払って、
保証してもらった方が安心です。
相変わらずマンション市況は低迷していますが、購入検討者は依然として数多く存在し、
また以前にも増して購入意欲が増しているように感じます。
価格上昇や不動産会社の倒産など、購入に踏み切りづらい状況が続いていますので、
結果“様子見ムード”が蔓延してはいるのですが、
それでも状況の好転を待ちに待っているような雰囲気を感じます。
また、“様子見ムード”の中にあっても、
その購入意欲がやや過剰に思えるケースが多々見受けられます。
そこで今回はそのやや過熱気味の購入意欲に少々水を差してみようかと思います。
こんなにひどい不動産不況なのに、購入意欲に水を差すなど、
なんてことをするのかと不動産会社からはクレームがきそうですが、
購入者にとっては熱くなりすぎての“衝動買い”は最も危険ですから。
さて、これまで私は「住宅は誰でも購入できるわけではない」という主旨のことを
様々なタイミングで述べてきました。
私のところに相談に来られる方のみならず、世の中の住宅購入検討者は
住宅ローンさえ貸してもらえれば誰でも住宅を買うことができると思っているようです。
しかも、最近では苦戦を強いられているマンションが増えているため、
モデルルーム等販売の現場では、異常に低い変動金利をエサに、
多額の借入と身の丈を超えた購入を強く勧める傾向が強まっています。
そのため、最近では「住宅は誰でも購入できるわけではない!」と言ったところで
「中にはローンが組めない人がいるからね・・・」とか「収入が低いからよ・・・」とまるでひとごとで
何の警告にもならなくなってきました。
よって、これからはあえて「住宅を買ってもよい人は限られる!」と言いたいと思います。
つまり住宅を買ってもよい人とは、数々の条件をクリアした選ばれた人なのです。
住宅ローンの事前審査で承認が得られれば、確かに購入自体は可能かもしれません。
また、相当の収入さえあればマイホームを持つ事は当たり前、
もしくは容易いと思われるかもしれません。
しかし、住宅購入はそんなに甘いものではありません。
もっとシビアに考えましょう。もっと事前に準備しましょう。そしてもっと冷静に自己分析しましょう。
と言ってみてもピンとこないことでしょう。
というのも世の中には住宅を売る側の情報、
つまりマイホーム購入のメリットや成功例ばかりが溢れていて、
なかなか住宅購入の失敗例に触れることはないからです。
そこで次回からシリーズで、住宅購入の失敗事例をもとに、
住宅購入検討にあたっての「要注意人物例」をご紹介します。
「耳が痛い」と言う方が少なくないとは存じますが、
誰か1人くらいはリスク喚起する人がいてもよいはずです。と、いうことで乞うご期待!です。
さて今回から始まった『要注意な購入検討者』シリーズの第一回目は
高収入ながらも貯蓄が少ない、もしくはほとんど無いという人についてです。
ここでいう“高収入”とは世帯年収で1,000万円を超え、
“低貯蓄”とは世帯貯蓄が500万円未満を目安とします。
先日2月21日(土)の日経新聞PLUS1に掲載されていた「マイホーム、買い時と思う?」という
アンケート結果に関する記事で、約56%の人が「買い時だとは思わない」と回答し、
その理由として1番に「充分な自己資金がまだたまっていない」、
次いで「不況のため、今後の生活に不安がある」と回答していました。
一方、約44%の人は、「物件価格が安い」ことや「住宅ローン減税の拡充」、
「住宅ローン金利の低さ」を理由に「買い時だと思う」と答えています。
リクルートのマンションズのアンケート調査でも同様の結果となっており、少しの差ではありますが、
「買い時だとは思わない」という人が過半数を占めています。
私自信はこれまでも述べているように、「買い時だ」と考える人の指摘する理由、
つまり“低価格”、“優遇税制”、“低金利”がまさに根拠となって
「情報収集と物件の見極めができて、さらに自己資金の準備があれば今は買い時だ」
と思っていますが、現在のような状況下では情報収集と物件の見極めの難易度は高く、
貯蓄が目減りしている方も多いことから、上記のアンケート結果のように、
住宅購入に慎重な姿勢を示している人の方が多いことに少しだけホッと胸をなでおろしています。
しかし、一方で自己資金がほとんど無いにも関わらず、
安易に物件購入に突き進む人も決して少なくありません。
特に高収入な人は高収入だけにこの傾向に陥りやすく、注意喚起をしても“空前の低金利”を理由に、
「今から貯めるくらいなら早くローンを組んだ方が得!」と胸をはります。
また、高収入だけに不況下にあっても比較的将来を楽観視しがちです。
しかも高収入の人はプライドが高く、また日常生活で忙しくしている人が多いため、
住宅に多くの希望条件を求めます。
結果、予算が高くなりがちなのですが、
収入が多いだけに多額の住宅ローンも問題なく借入できてしまうため、
気付かぬうちに危険な購入へと踏み出してしまう傾向があります。
ここではっきり述べます。
世帯年収が1,000万円を超えていたら、
夫婦2人ならつつましい生活をしなくても年間で300万円以上の貯蓄は充分可能です。
また子どもがいたとしても小学生以下など、まだ幼いなら、やはり同程度の貯蓄は可能なはずです。
ましてや住宅を購入しようとされているのですから、事前に頭金等の準備をするのは当然のことです。
にもかかわらず、その当然のことができていないうちに多額のローンを組み、
多額の住宅購入に踏み切ることはかなりリスクが高いと認識すべきです。
今のような時代、現在高年収でもいつそれが途絶えるかわかりません。
また住宅は買ったら終わりではなく、
その維持管理のために、決して安くない費用負担が発生し続けます。
さらに人生、住宅だけが全てではありません。
予想外、想定外なことだらけの人生、最後に生活を支えてくれるのは貯蓄です。
高収入にあぐらをかかず、収入に見合った貯蓄を行い、住宅購入や老後、
そして生活防衛に備えましょう。
その準備ができないうちは、たとえ結婚しても、たとえ家族が増えても、たとえ子どもが進学しても、
また低価格でも低金利でも優遇税制があっても、あなたにとっての“買い時”ではありません。
“要注意な購入検討者”の2回目は、
モデルルームを訪れてから概ね2週間程度以内で申込、契約をしてしまう購入者についてです。
現在のように不動産不況で、かつ3月の決算前には非常に多発するパターンですが、
これはとても危険な行為です。
モデルケースは以下のような感じです。
きっかけはさまざま。人によっては希望条件に合っているからと、また人によっては“とりあえず”と
モデルルームを訪れます。そして営業担当者は熱心にセールスします。
特に建物建築中の物件はきれいに飾りたてたモデルルームを中心に、メリットばかりを並べます。
順路に従ってひととおり物件を説明し、商談のテーブルにつき、
お決まりの「変動金利」で資金計算をすると、最後に営業担当者がこう言います。
「決算前なので、普段より多額の値引きができます。このお部屋なら○○万円引きます。
ただし今週末までに申込、契約をしていただくことが条件となります。」
もしくは、「このお部屋は人気があり、このタイプは残すところこのお部屋だけなのですが、
他にご検討者がいらっしゃいます。先着順ですので、なるべくお早めにご決断ください。」
購入検討者は内心、「どうせセールストークでしょ」と思いつつも、
「せっかくなら安く買いたい」、「気に入ったお部屋がぐずぐずしている間になくなってしまうかも・・・」
と少々あせります。すると不思議なことにその物件を肯定するような言い訳をたくさん思いつきます。
「駅にも近いし、日当たりもよい、ちょっと狭いけどそれでもこの値段で買えるのは今しかないかも・・・」
「低金利だし、買うなら今がチャンスかも。家賃を払い続けるのも無駄だし・・・」
ここで「決めちゃえ!」という自分と「もう少し慎重に!」という自分が戦い、
後者が優勢となった方の一部が私などのところへ相談にいらっしゃいます。
しかし前者が優勢、もしくは圧勝してしまった方は、たった一回のモデルルーム見学で
あっさり数千万円の物件の購入を決めてしまうのです。
完成済み物件ならまだしも、実物を確認せずに、しかも購入する部屋とは違うタイプのモデルルームを
一回や二回見ただけで購入を決めてしまうのは、危険すぎます。
なぜなら不動産購入には隠れたデメリットや注意点が数多く存在するからです。
また、住宅ローンの試算を営業担当者の提案にまかせっきりではリスクが高すぎます。
なぜなら営業担当者は購入者のその後の家計など知ったこっちゃないからです。
不動産や住宅ローンは、はっきり申しあげて一般の方には難易度が高すぎると思います。
ただいたずらに時間をかけて検討すればよいというものではありませんが、
少なくとも同じエリア、沿線で4~5物件は比較検討すべきですし、
天気や時間帯を変えて何度か建設現地に行ってみたり、重要事項説明書を事前に読んでおくなど
最低限の物件の理解は深める努力が必要です。
また住宅ローンについても変動金利のみならず、必ず全期間固定金利で計算してみるべきです。
そして実は契約後にも転機が訪れます。
契約から引渡しまで、建物が完成していない物件なら数ヶ月~2年ほど、
即入居可能物件でも、住宅ローンを利用して購入するなら最短でも1ヶ月ほどありますので
その間に購入してよかったのか、また購入価額は妥当だったのかを考えることになります。
また住宅ローン利用者は正式にどのローンを利用するのか決定しなくてはなりませんので、
改めて住宅ローンに向き合うことになります。
そこでまた多少なりとも不安や迷いが生じた方が、私のところへ相談にいらっしゃるわけですが、
このタイミングでご相談にいらしても、残念ながら選択肢は限られます。
特に購入した後で予算オーバーに気付いた時などは、大幅な家計見直しをするか、
「契約解除」という大きな損失を伴う決断をするかの過酷な二者択一となる場合もあります。
営業力の無い営業担当者ほど結論を急がせます。
また充分な検討をさせると選んでもらえないような物件の担当者は時間的猶予を与えません。
それでもどうしてもその物件が気になって仕方がないのなら、
物件の売買契約を締結する前に専門家に相談しましょう。
相談料など、住宅購入失敗の損失に比べたら微々たるものです。
先日、住宅金融支援機構が発表した『民間住宅ローン利用者の実態調査』によると、
先月上旬時点の回答で、「変動金利」の利用者が45.1%に達しました。
2年前の1月にはわずか10%弱、1年前の1月には20%強だったことと比較すると、
大幅に増加していると言えます。
ここ十数年、“変動金利”と言いながら店頭金利は2%台から“変動”しておらず、
優遇適用となれば1%台を維持してきましたので、
常にその低金利の魅力は住宅ローン利用者をひきつけてきたのですが、
一方で、この金利水準がほとんど変わらない2年ほどの短期間に
これだけ「変動金利」の利用者割合が“変動”することにはやや違和感を覚えます。
そして先月、最優遇金利適用後の変動金利が1%を割り込んだことにより
「変動金利」を選択している人が急増しているとしたら、
目先の低金利に惑わされているのではないか、と心配になります。
この『民間住宅ローン利用者の実態調査』ではさらに詳しく尋ねています。
「利用した住宅ローン決定に際して影響が大きかった媒体は?」という質問に対し、複数回答ですが、
約40%が「住宅・販売事業者」と回答し、約20%が金融機関と答えています。
ちなみに「FP、住宅ローンアドバイザー等の専門家」と答えた方はわずか4.4%です。
そして「利用した住宅ローンを選ぶ決め手」として約73%が「金利が低かった」と答え、
さらに変動金利の利用者の48%が「金利上昇に伴う返済額増加への対応」について
「返済額圧縮、あるいは金利負担軽減のため、一部繰上返済する」と答えています。
この時点で既に私の胸は痛み始めているのですが、それに追い討ちをかける調査結果は、
変動金利を利用した割合の最も多い年齢層は30代(37.4%)であり、
年収層は400万円未満(42%)であることです。ものすごく恐ろしく、クラクラします。
と、述べたこところで多くの方は「それのどこが恐ろしいの?」と思われることでしょう。
詳しくはぜひご相談にいらしていただきたいのですが、ここで端的に述べますと、
まず、変動金利選択に大きく貢献した「住宅・販売事業者」は買手の購入後の家計など
知ったこっちゃありません。彼らの目的はただひとつ、住宅を購入してくれたらそれで目的達成です。
よって、できるだけ低金利のローンを紹介し、その金利で試算した支払額を見て
購入検討者が「これなら買える!」とか「家賃並みの支払で買えるわ!」と思えばよいわけです。
そして次の貢献者、「金融機関」にとって、最も借りて欲しいローンは変動金利型です。
なぜならこのローンが最も「金融機関」のリスクが少ないからです。
変動金利や短期間の固定金利指定型ローンほど金利を大幅に優遇するのはこのためです。
また、低金利下における変動金利の弱点は、将来、金利が上昇し、返済額がアップすることです。
その弱点をカバーする、というか紛らわす魔法のキーワードが「繰上返済」と「借り換え」です。
では「繰上返済」の原資はどこから出てくるのでしょうか?
30代でこれからお子さまの教育費がかかり、子育てで奥様の収入が減る中で、
また失礼ながら年収400万円以下という収入の中で、
どうやって多額の「繰上返済」の原資を捻出するのでしょう?
しかも変動金利が上昇し、「借り換え」を検討する頃には、
とっくに長期金利はさらに高くなっているはずです。
住宅ローン金利や家計の将来を予測することは非常に難しいことです。
それだけに客観的な情報の収集が必要ですが、これもまた難しいことです。
住宅ローンのしくみと歴史、そしてリスクとその対処法は私が教えます。
また、将来予測しうる家計の推移とライフプランについてアドバイスいたします。
ぜひ購入を決めるその前に、ご相談にお越しください。
低価格、低金利、優遇税制などの条件が揃うと、自己資金の準備よりも先に購入した方が有利と
購入価額の大半を借入に頼ってでも今すぐの購入へと走りがちです。
しかしその借入額が4,000万円を越えるとなると注意が必要です。
仮に4,000万円を今月の全期間固定金利で借り入れた(ボーナス返済無)とすると、
35年返済(3.5%)で約165,300円、30年返済(約3%)で約168,600円、
25年返済(2.9%)で約187,600円、20年返済(2.6%)なら約213,900円です。
いずれの場合でも、マンションの場合は管理費、修繕積立金、
そして固定資産税や都市計画税を含めると月々の支払が20万円を超えることになります。
また税込み年収に対する年間返済額の比率は、
一般的には25%以内なら適正範囲と言われておりますが、
これに基づくと、35年返済の場合で約793万円以上、20年返済なら約1,070万円の年収が必要です。
これまでにご相談にいらした方の事例を見ると、
よほどの高額年収でもない限り、ローンの支払に管理費等のランニングコストを加えた住宅費が
月々20万円を超えると、多くの方が多少なりとも「きつい」と判断なさるようです。
世間では「年収の5倍の住宅購入が適正」とか、「年間返済額が年収の25%以内ならOK」とか、
多くの基準が年収で語られますが、では年収に比例して住宅費の負担が増えるかというと、
必ずしもそうではないのです。
年収が上がれば生活は豊かになり、多少なりとも贅沢になります。
そして一旦引き上げられた生活水準を下げることは、かなりの努力を有します。
住宅情報誌の『マンションズ』の調査でも、
年収が1,000万円までは年収に比例して借入額が増えるものの、
それ以降は年収が増えても5,000万円以上の借入には踏み切れていない実情がうかがえます。
ここで問題なのは、この調査では5,000万円までの借入はある程度行なわれているのですが、
その多くの方が、70歳以降の老後にも続く返済期間で借り入れていたり、
変動金利や短期固定金利指定型を選択している場合が多く見受けられます。
家計とライフプランを見直して予算を決める前に物件選びを先行した場合に多いのですが、
このような借入条件を検討している方に、「老後はどのようにして返済するのか?」、
「金利が上昇したらどうするのか?」を尋ねると、多くの方はやはり「繰上返済」と答えます。
これについては前回のブログでも説明したとおりですが、
それでは単なるリスクの先送りになる可能性が高いのではないでしょうか?
そして借入額が大きいほど、また借入期間が長いほど、金利上昇時のリスクは高くなります。
また、“確実にできる繰上返済”なら、その分を最初から借入に組み込んだ方が確実に得ですし、
“できたら繰上返済”と考えているなら、できなかった場合の対処を検討すべきです。
首都圏のマンションの平均価格が4,200万円前後にある今、
頭金の少ない方や高額物件を希望される方の多くは4,000万円以上の借入をすることになるのですが、
適正な借入期間(老後にローンを残さない)とリスクの少ない金利(できるだけ長期固定)を選択したら
月々の支払額が多すぎて返済できないという方は要注意です。
人によって条件は異なるので、全てが危険というわけではありませんが、
大きなリスクをはらんでいることを認識し、今後の家計の収支を確認し、慎重に判断しましょう。
このたび、2009年度の税制改正が正式に決定しました。
目玉となっていた住宅ローン減税についても既に発表されていた税制改正大綱の内容が
そのまま成立しましたので、昨年の減税額と比較して大幅な減税を受けられることになりました。
特に減税額算定の基礎となる年末の住宅ローン残高の限度額が
2,000万円から5,000万円に引き上げられ、所得税から控除しきれない分は
翌年分の住民税からも一定額までは控除できるようになったことのメリットは大きいです。
これにより、平均でも3,000万円を超える借入をしている首都圏のマンション購入者にとって、
ほとんどの場合で減税額が大幅に拡大することになります。
ただ、住宅ローン減税の拡充を理由に住宅購入を急ぐのは、どなたにとっても得策とは限りません。
そこで今回の『要注意な購入検討者』は、こうした“優遇税制”や“低金利”、“低価格”などを理由に
準備もなく、情報も不十分に、また購入する“能力”もないまま
“購入”に突っ走ってしまうケースに注目します。
と、結論を先に述べてしまいました。
つまり住宅購入には、購入する“能力”と“準備”、そして“情報収集”が必要ということです。
この“3点セット”をお持ちではない方が、さしたる理由もなく、
ただひたすらに“購入”にこだわるケースが相談の現場では時折見受けられます。
「賃貸は家賃がもったいないので購入したい。」
「低金利で低価格、住宅ローン減税も拡大の今こそどうしても購入したい。」
“購入”への強いこだわりのある方の多くが、決まってこのようなことをおっしゃいます。
この購入動機自体は決して間違いではありませんし、否定するつもりもありません。
しかし、それにこだわりすぎると、物件選びやローンについての情報収集を怠ったり、
自己資金もほとんどないのに購入に突っ走ってしまう、
もしくは身の丈を超えた購入に踏み切ってしまったりする傾向があります。
例えば「家賃がもったいない」ことにとらわれすぎると、購入にかかる費用を甘く見積もりがちです。
購入時の諸費用やローン利息、管理費、修繕積立金、固定資産税等だってもったいないのでは?
また、賃貸の最も大きなメリットは「住み替えが比較的容易なこと」です。
こうした費用負担や住み替えしやすさを考慮してもなお、購入するメリットがあると言えますか?
「低金利、低価格、優遇税制の今」にこだわりすぎると、自分のライフプランを無視しがちです。
自己資金の準備はできているのでしょうか?
優遇金利が適用されるような安定、継続性ある収入が確保されているのでしょうか?
また、今後のお子さまの予定や奥様の働き方など、ライフプランは描けているのでしょうか?
こうした点を無視すると、入居後まもなく家計が厳しくなったり、住み替えを検討、
もしくは住み替えたくてもできないことになる可能性があります。
“マイホーム購入”の意欲が強くなったら、今一度踏みとどまって考えてみてください。
購入する“能力”がありますか?“準備”はできていますか?そして“情報収集”は充分ですか?
もしわからなくなったらぜひご相談にお越しください。
かつて購入検討者の親の存在は、販売担当者からすると“敵”でしかありませんでした。
親は子を思うがゆえに、子の多額の借金を心配し、購入に突っ走りがちな子を制していたものです。
私が販売現場にいた頃にも、多くの親が子の住宅購入を心配し、モデルルームを訪れては
「うちの子をだまさないでよ!」とばかりにらみつけていたものです。
特に変動金利しか勧めないような営業担当者には、
「この低金利時代に変動金利を勧めるとは何たることか?!」と抗議してくるほどでした。
ところが最近はやや様子が異なるようです。
私のところに相談に来られる方の中にも、本人よりも親の方が購入に前向きであり、
もし資金的に問題があるなら自分たちが援助してもよいから購入すべきと意気揚々としているのです。
「家賃を払うなんてもったいない!」、「早く住宅ローンの返済を始めた方が月々の支払が安くすむ」と
親が率先して子の住宅購入の後押しをします。
そしてそれは自分の経験に基づいたアドバイスであり、
“マイホーム購入”こそが人生の幸せのひとつであると信じて疑わないという背景があります。
しかし、親の世代とはマイホーム購入時の“時代”が大きく異なります。
現在、購入検討者の中心は30代です。
よってその親の世代は1970年台前後に結婚、出産、そしてマイホーム購入をした世代となります。
1970年台前半は、日本はまだ高度経済成長期にありました。
当時は物価上昇率が年平均15%を超えておりましたが、
賃金上昇率もそれをさらに超えた水準で推移しておりました。
そのため、当時は年々生活が豊かになることを実感できていたはずです。
しかも当時の住宅ローンは住宅金融公庫融資や公団の割賦販売が主流でしたので、
基本的には住宅ローンの返済額は固定金利により一定であることがほとんどでした。
またもし仮に変動金利で借り入れていたとしても、
賃金が物価水準を上回るペースで上昇していましたし、年功序列制の賃金条件では
家計が直ちに苦しくなることはなかったのでしょう。
さらにその時代の首都圏のマンション1戸あたりの平均価格は1,500万円前後です。
そのうえ既に年金を受取っている親世代はもちろん、今後数年以内に年金を受取る世代は
今の30代より多くの年金額を受取れる可能性が大です。
そんな経験に基づく親世代のアドバイスが、はたして今の勤労者に通用するのでしょうか?
また昭和30年以来一度も下がったことのない教育費の物価。特に子育て世代にとっては
親の世代が経験したことのない、想像もできない未来が用意されていると考えるのが妥当です。
よって、全く異なる経験をしてきた親のアドバイスなど、
こと家計についてはあまりあてにすべきではないと思います。
それでも親が自己の経験を基にマイホーム購入を勧めている場合、“時点補正”が必要です。
親の世代と今との賃金や物価水準、景気や社会保険制度などを鑑み、
どれほど親世代との乖離があるかを計算し、そのうえでアドバイスを受けとめなくてはならない・・・
しかしそれはあまりにも違い過ぎるため、結果的には参考にはならないのではないでしょうか?
親のアドバイスですから、そうそう無視するわけにはいかないのでとりあえず話しは聞いておき、
現状と将来のライフプランを情報収集に基づきよく考えてみる必要があります。
それでもわからなくなったら、もしくは不安を感じたら、やはり専門家に相談するのが一番です。
何度も述べますが、相談料など住宅購入の失敗に比べたら微々たるものです。
必要なら親の経験談にも根拠をもって説得します。ぜひ親御さんと共にご相談ください。
“要注意な購入検討者”シリーズの最後は「無知に甘んじている人」です。
不動産の見極め、住宅ローンの選定、購入住宅の理解など
不動産売買の現場は難しく面倒なことだらけです。
しかも一生のうちに不動産売買を何度も経験する人は少なく、
特に現在マイホームを購入しようとしている人の多くは、不動産売買については「初心者」です。
よって何か問題があった時、もしくは購入の失敗を認めざるを得ない時、
決まってこういいます。「よくわかっていなかった」と。
そしてその変化形として「説明がなかった」とか「デメリットについて知らされていなかった」と
言い訳しますが、では「それなら仕方がなかった」と誰かが救ってくれるのでしょうか?
皆さんもご存知のとおり、答えは「NO」です。
マイホームを購入した後になって「知らなかった」や「説明がなかった」は通用しません。
たとえ素人であってもきちんと理解し、必要なら説明を求めて購入しなければなりません。
ところが驚くことに重要事項説明の際に寝入ってしまう購入者や、
また、なぜよくわかっていないのに契約したのか尋ねると、「どうせよくわからないから。」と
当たり前のように答える方が少なくありません。
数千万円にも及ぶ買物、失敗しても簡単にはやり直しがきかない不動産売買、
果たしてこれでよいのでしょうか?
例えば自動車購入、運転操作の仕方がわからないのに買いますか?
例えばビジネススーツ、サイズがわからないのに買いますか?
不動産よりうんと安く、もしくは取替えがきくものを購入する時には
その価値を吟味し、内容を確認するのに、
なぜ最も高い買物で、かつ取替えがなかなかしづらい不動産購入は何もわからずに買ってしまうのか、
本当に不思議です。
不動産はわかりにくい部分にこそ、その本来の価値を示しているのですから。
たとえ親切な営業担当者からリスクやデメリットの説明が無くとも、
重要事項説明書をよく読み、読み方がわからない言葉や意味がわからない言葉は全て
確認すべきです。
またできるだけ想像力を働かせて、例えば隣地に空地があったら将来の建築計画の可能性について、
例えば思い描いているライフスタイルがあるならその実現性について、
例えば設備や施設の利用方法がわからなければそれについて、
率直に一つ一つ疑問を解決すべきです。
ただ、何がわからないのかわからないという場合や、時間がなく深く追求できない場合もあるでしょう。
その際にはぜひ第三者のプロにご相談いただきたいと存じます。
何度も述べますが、不動産売買の失敗に比べたら数万円の相談料など微々たるものです。
以上、これまで8週にわたり述べてきました“要注意な購入検討者”シリーズは今回で最終回です。
このシリーズで取り上げた内容に合致するか方全てに問題があるとは申し上げませんが、
少なくともよく注意し、振り返って考え直す必要があるという事例について取り上げましたので、
心あたりのある方は、はやる気持ちを抑えて、今一度冷静に考えてみていただきたいと存じます。
そしてよくわからない場合や反論がある場合にはお気軽にご相談ください。
皆様のご相談、お問い合わせ、お待ちしております。
なお、匿名でのご相談、お問い合わせには応じておりませんので、予めご了承ください。
住宅購入の相談の場で、よくこのように問いかけられます。
「私たちにとってはどうすることが一番よいのでしょうか?」
「私に最適の住宅ローンを教えてください。」
この問いかけをする人は、未知の未来に関わることなので断言はできないかもしれない、
でも答えはひとつだと思っています。
しかし結論から先に述べますが、未知の未来に関わることだけに、答えはひとつではありません。
また、そもそも“答え”とは何なのでしょうか?
例えば住宅ローンの選択について述べるなら、
トータルの支払額が最も安く済む組み方が“答え”だと考えることもできますが、
少なくとも私はそれだけが“答え”とは思っておりません。
仮にこの先数十年、ずっと低金利が続いたならば、総支払額では変動金利に軍配が上がります。
しかし、全期間固定金利を選んだ人が、返済額が変わらないので安心して返済を続けられた、
もしくは教育費や老後資金等の貯蓄が計画的にできた、といったような場合、
この選択は必ずしも間違いではないのではないかと思うのです。
逆に数年後に大きく金利が上昇したとして、変動金利を選択した人が、
金利上昇への対処として繰上返済に努め、早期完済ができた、などの場合には
やはり結果的にこの選択が良い結果を導いたといってよいこともあるのだと思います。
よって私が考える“答え”とは、「この選択をしてよかった」とずっと思い続けていられるかどうか、
ではないかと考えています。
そしてその“答え”はひとつではないと思うのです。
相談相手が変われば、さまざまなアドバイスがでてくることでしょう。
また同じ条件を提示しても、異なる“答え”が示されることもあるかもしれません。
ただ、その全てが“答え”となりうる可能性があるはずです。
しかし、人生は一回きりですので、
住宅購入について同時期に複数の選択肢を試してみることはできません。
ではどうすれば答えにたどり着けるのでしょう?
それは、「安心」・「納得」・「自信」の3つすべてを持てるかどうかで判断されると思います。
そのため、私はさまざまなケースを想定し、
考えられるリスクやデメリットを全部お伝えしたいと考えております。
そのうえで購入検討者が安心、納得し、また自信をもって購入できるようアドバイスしたいと思います。
さらにその後の行動の指針も示していきたいと思います。
そこから導き出したこの3つが揃った答えはきっと間違っていないはずです。
Life & Home Solusion 代表 西澤 京子